火曜日, 4月 01, 2008
WindowsServer2008で作るVistaPE(実践編-2)
ではスクリプト設定を個別に見ていこう。
(事前にパスは「C:\Program Files\Windows AIK」にしておくこと)
・Main Configuration
ここは結構大事なところ。いろいろ設定を試してみたが、やはりWIM起動ではうまくいかないようだ。
・Build model⇒Normal
boot.wimを展開して起動するパターンを選びたかったが、うまく起動しないためNomal(CD起動)
・Main shell⇒BS Explorer
シェルは数種類選べる。その中で一番普通なのがこれ。
・Screen resolution⇒1024X768
この解像度が一番無難だろう。
・Boot Manager⇒Standard
ビルドモデルをノーマルにしているので無難にスタンダードで。マルチブートやPartedMagicを使いたいならBCDWを選ぶといい。
その場合はビルドモデルも"INRAM"にする必要がある。
・System Locale⇒Auto
・Wpeinit run mode⇒Nomal
\Windows\System32\にあるWpeinitはPEの初期化をするプログラムだ。
Nomalの場合は起動時にDOS画面で表示され、backgroundの場合は表示されない(が動いている)。
このプログラムでネット接続も自動的に行われる。
・Extended Configration
ビルドモデルをノーマルにした場合はここの設定はそのままでいい。
Mount folder with programs as drive Y:にチェックを入れると仮想RAMディスクのYドライブがマウントされる。
※以下のセクションは必ず全部チェックを入れるものと、任意にはずせるセクションがあるので、セクション名の横に括弧で表示しておくことにする。
・Buildセクション(すべてにチェックを入れる)
・0-Preconfig
WAIKにWindowsServerモデルを使用した場合、デフォルトの設定ではうまくパスが通らない。
パス設定もデフォルトでC:\Program Files\Windows AIKなので、WAIKはVistaモデルをデフォルトでインストールしておけばここはいじらなくてもそのまま通る。
・1-Copy Files
前回説明したように、Clear target folderのチェックをはずしておく。
要するに、もう一度ここをソースを変えて読み込ますわけだが、
せっかく読み込んだWAIKのファイルを消さずに上書きしたいからだ。
File to copyもFullにすると起動しない恐れがあるのでStandardで。
他はデフォルトのままでよい。
・2-New Hives for VistaPE
独自レジストリ構築、と言うことだろう。筆者の環境ではClean...にチェックを入れても入れなくても変化は認められなかった。
Addonsセクション(一部不要な箇所はチェックなし)
・Common components
ここはVistaのDVDがないとうまく反映されない。レスキュー目的ならここにチェックを入れる必要もないと思う。チェックをはずす。
その他、デフォルトでチェックがないが入れておいたほうがいいと思うものにRamdisk VistaPEがある。これはファイル保存などに有用だからチェックを入れよう。
ファイルシステムはデフォルトでNTFSだが、汎用性の高いFAT32にしておいたほうがいいだろう。
他に不要と思われるものは、Korean IMEとDotNet2.0だろう。
特にDotNetはチェックを入れるとファイルサイズが増大するのでやめておいたほうが無難だ。
ここには重要なIMEがある。JapaneseIMEは辞書もすべてチェックを入れておこう。
この状態で(ソースがWAIKのまま)走らせると中身が空のIMEフォルダが作成される。
Exit3 InstallableはLinuxのファイルシステムを使うなら。関係なければチェックをはずす。
Starfieldスクリーンセーバーは好みで(たいしたものではない)。
File Sharingはネット経由のレスキューで使用する可能性があるならチェックを。
それ以外の項目はすべて重要なのでチェックを入れておく。
Shellセクション(一部重要、それ以外は任意)
メインシェルでBS Explorerを設定したら、必ずここでAdd to PE shellとSet as default...にチェック。
このSet as defaultは他のシェルやファイラーにもあるが、「後優先」なので必ず他のものはデフォルトのチェックをはずす。
LiteStepとTotalCommanderは好みだが、それほど使い勝手がいいとはいえないし、使わない機能を増やしてサイズアップを避けるために今回はチェックしない。
Appセクション(任意でチェック)
いわゆるアプリケーションがジャンルごとに並んでいる。
AntivirusはClamWinPotableがあれば他は不要だろう。
このプログラムはRAMに展開したほうがいいのでRun from ramにチェックを入れる。
ちなみにあまりたくさんのプログラムをRAMで展開する設定ではメモリが不足するので控えめに。
7Zipは必須だ。CD Recordはひとつあればいい。Data RecoveryやDiagnostic、Disk ToolsはこのOSの中心的アプリケーションだ。反映可能なものはチェックを入れておこう。
File ToolsのA43FileManagementはなかなか使いやすいのでチェックを。
ただしFileToolsの二つのアプリはデフォルトのチェックをはずすことを忘れないように。
Multimediaは画像ビューアがあればいい。Xnviewがお勧めだ。
NetworkにはFireFoxなどのブラウザから、IP-Toolsなどの怪しめなものまでバリエーションが広い。
外部アクセスはレスキュー時に非常に有用なので出来るだけチェックを入れよう。
Officeは筆者の場合必要ないので全部ノーチェック。
Registryは三つともチェック。Securityにはパスワード関連のソフトがある。
SystemではProcessExplorerがタスクマネージャ代わりになるし必須だろう。
BGInfoは起動時に壁紙にインフォメーションを表示する機能があるが、IPアドレスなども表示されてしまう。筆者はさらけ出したくないのでチェックをはずした。
Drivesセクション(必ずすべてチェック)
Netセクション(RemoteDesktopは任意、他は必須)
Tweaksセクション(二つともチェック)
ここまでの設定が終わったら、最初に戻って画面右上の一括Playボタンを押す。
数分で止まるので、パスをWindowsServer2008のDVDのパスに変更し、Refrshだ。
この段階でエラーが出た場合は、ログを見ながら設定を変更し、個別にPlayしておく。
WindowsServer2008で作るVistaPE(実践編-1)
前回説明した準備が必要になる。
まずWAIKをマイクロソフトからダウンロードし、イメージファイルをマウントしてインストールしておく。
CDに焼いてもいいが、筆者はDeamonToolsでマウントした。インストール先はデフォルトで。
このインストール先はあえて変えないほうがよいだろう。
筆者の知る限りWAIKは二種類ある。長ったらしいがイメージファイル名を記しておく。
1.vista_6000.16386.061101-2205-LRMAIK_JA.img
2.6001.18000.080118-1840-kb3aik_ja.iso
2.はWindowsServer向けWAIKと思われるが、試したところうまくビルドできない(後述)ので、1.のVista用を選んでおく。
また、今回ソースとして使うWindowsServer2008のエンタープライズ版もダウンロードし、DVDに焼いておこう。
筆者がダウンロードしたのは6001.18000.080118-1840_x86fre_Server_ja-jp-KRMSFRE_JA_DVD.isoだ。
マイクロソフトはハッシュ値を明示してくれていないので下記にISOBusterで作成したハッシュ(MD5)を記す。
# MD5 checksum generated by IsoBuster 1.9.0.3 (http://www.isobuster.com)
0e145035ae1cde22ff977751850f93fe *6001.18000.080118-1840_x86fre_Server_ja-jp-KRMSFRE_JA_DVD.iso
あまり参考にならないかもしれないが、一応比べておいてほしい。
それでは実際にWinbuilderを使用したビルドに取り掛かろう。
・・・その前に以下の注意点を認識しておいてほしい。
注意:ビルド作業に失敗はつきものだ。また、システムファイルをいじることになる。
この作業の結果あなたのシステムに何らかの損傷が起こったとしても、誰も責任は取れない。
くれぐれも自己責任で作業してほしい。
また、筆者はプログラマーでもエンジニアでもないので、行き当たりばったりに作業を行っている。
読み進めていくうちに、「おかしい」と感じるところがあるかもしれない。
そのときはぜひとも修正/訂正のご連絡をいただきたい。
※前回も述べたが、テスト環境としてバーチャルPC2007かバーチャルBOXの導入をお勧めする。
前置きが長くなった。では、まずWinBuilderをダウンロードする。
http://www.vistape.net/download.html
から"you can download it directly from WinBuilder."
のリンクをクリックしよう。適当なフォルダに展開する。
なお、Winbuilderはあまり階層の深いフォルダにおくとその後の操作が面倒になる。
筆者はD:\直下にWinbuilderというフォルダを作って作業している。
また、結構な量のファイルを扱うため、最低でも5GB程度は空き容量が必要だろう。
展開したwinbuilder.exeをダブルクリックすればウィザードが起動する。
最初はビルドに必要なスクリプトをダウンロードする。
ダウンロードタブで、"Complete"を選び、一旦すべてにチェックを入れよう。
"Servers"タブで配布元を増やすことも出来る。ここを増やすと、
VistaPE以外のOS用スクリプトもダウンロードできるが、かなりの量で時間がかかってしまう。
筆者はすべてのサーバーにチェックを入れたところ、ダウンロードだけで2時間以上かかった。
ダウンロードが終了したら、"Scripts"タブで設定を行う。
"VistaPE MuitiBoot v.xx"を選ぼう。
ここでまたまた注意点。今回はソースにWindowsServer2008を使用するが、パスにそのまま指定すると、ブルースクリーンで止まってしまう。
これはVistaのDVDとは違うファイル構造のためで、WinBuilderのスクリプトでは正しいパスが通らないものがあるためだ。
スクリプトの修正に自信のある方は修正していけばいいが、筆者は勉強不足だし、面倒なので、下記の手順でごまかす。
ここでまた横道にそれるが、実はWAIKだけをソースにしてもVistaPEは作れる。しかしそれではIMEがビルドされないのだ。
IMEのスクリプトをONにしていても、フォルダは作られるが中身は空っぽで動作しない。
IMEを入れ込むためにはWindowsServerが必要なのだ。また、他にもVistaのDVDを要求するセクションがあるので、WindowsServerは必要な部分のみにパスを指定する。
だが、WinBuilderは各セクションで個別にソースパスを指定する仕様にはなっていないため、一工夫が必要になる。それが今から説明する手順だ。
1.最初のパス指定にはWAIKを指定しておく。
2.スクリプト設定のチェックはファイナライズ(6-PostConfig)の手前までしか入れない
3.Build/1-Copy Files画面のClear target folderにチェックを入れない
4.この状態で全体を"Play"する。
5.最初に戻って、パスをWindowsServer2008のDVDに変更しReafreshボタンを押す。
6.次に上げるセクションだけを個別にPlayする。
Buildセクションの
・0-Preconfig
・1-Copy Files
Addonsの
・Japanese IME for VistaPE
・File Sharing
・WIMMAster(反映しないかもしれない)
Shellの
・Explorer Vista(+IE)
Netの
・PENetCfg
・Remote Desktop Connection
これらをすべて単独でPlayさせる。
7.もう一度パスをWAIKに戻し、Refreshさせたら、残りのファイナライズ以降にチェックを入れISOファイルを完成させる。
これでエラーのないPEのISOファイルが出来るはずだ。次回は個別のセクションごとに設定を見ていく。
大まかな流れだが、パスの指定⇒チェック設定⇒PlayでISOファイルは完成する。
ただし次回以降に説明する「はずしてもいいセクション」と「必ずチェック」のセクションがあるので注意が必要だ。
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